総合診療科について
初診外来、総合診療予約外来を担当しています。
平日日中の内科系救急外来を担当し救急車の受入対応を主に行っています。
また、地域の開業医の先生方からの紹介を受ける窓口機能も有しています。
常勤医師不在領域における入院患者対応も総合診療科が中心に担っております。
高齢者に見られるような多専門領域にまたがる疾患の管理だけでなく、生活面や家族背景を考慮した介護福祉と連携した診療を実践しています。
診療日について
詳しい診療日は外来診療表をご確認ください。
2022年度総合診療科実績
概要
2022年度は、新たに石渡彰医師、書上奏医師を総合診療科フェローとして迎え指導医・上級医の体制強化を行うと共に、初期研修医及び専攻医の教育やメンター的対応を強化する目的で、初めてチーフレジデントとして渡邉健太医師が着任しました。初期研修医や専攻医の教育環境整備を改めて行い、より良い総合診療・家庭医療研修を行える場を作り出す一歩の年度となりました。
専攻医としては、群馬家庭医療学センター総合診療専門研修プログラム−利根中央コース−の吉田卓生医師と植野貴也医師、利根中央病院総合内科専門研修プログラムの井上錬太郎医師(当院での2年間のTransitional Year研修後、4月~9月在籍)を専攻医1年目として、4月~9月に埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科から白井絢子医師を専攻医3年目として、10月~3月にNHO栃木医療センター内科から山口高史医師を専攻医2年目として受け入れを行いました。特に外部プログラムから短期研修でいらした各専攻医の先生方においては、今までの経験を活かしつつ、日常診療を通じて今までのセッティングとは異なる中山間地域の中規模総合病院で求められる病院総合診療(家庭医療)を学んで頂けたのではないかと思っています。
診療においては新たに2つのことにチャレンジを開始する年度となりました。いずれのチャレンジも、その目的は「中山間地域における、切れ目ない急性期から慢性期・在宅までの医療を提供すること」にあります。1つ目は総合診療科スタッフのうち家庭医療専門医資格を保有している医師を中心に、関連施設である利根中央診療所からの定期訪問診療を開始しました。今まで在宅療養を希望していても、医療側の体制不備から施設もしくは療養型病院転院等の方針となっていた方々が多数いましたが、2022年度4月以降は本人もしくは家族が在宅療養を希望された場合には、積極的に訪問診療導入を行いました。2つ目は総合診療科メンバーに新たな職種として4月から安部優子診療看護師、6月から南川美由紀診療看護師がメンバーに加わりました。病棟診療においては、殊に定期予約外来や訪問診療などにより指導医・上級医が不在となり専攻医や初期研修医が診療の中心となる場合があり、医療安全の側面からも診療体制の強化が必要となっていました。診療看護師が病棟チーム診療に加わることで、より的確な診療と情報共有及び多職種連携が生まれたと思います。また、急性期病棟診療における疾患管理を中心に対応していた医師側の視点に診療看護師の視点を加えることで、地域・在宅に療養の場を移すにあたり必要な準備や対応を、より円滑に行い患者家族の利益につなげることができたのではないかと考えています。
2022年度は診療や教育においては環境整備を進めることができましたが、学会発表といった学術面での活動は少ない状況でした。日常の活動を学術的に発信することは、2023年度へ向けた持ち越しの課題として考えております。
診療体制
診療体制は、2021年度に研修教育担当を主に担って頂いていた副科長の比嘉研医師が高崎中央病院に出向することとなり、同任を宇敷萌医師が引き継ぐこととなりました。また、新たに着任した石渡彰医師が指導医(フェロー)として合流することで、診療体制及び教育体制を維持しました。日本専門医機構総合診療専門研修プログラムには新たに2名の専攻医を受け入れ、総勢専攻医6名(PGY 6が1名、PGY 5が2名、PGY 4が1名、PGY 1が2名)となりましたが、2021年度同様に総合診療Ⅰ、内科、小児科、救急科などの研修のため、数ヶ月単位で他科ないし他病院へ研修出向となる者もおり、当科に常時所属し診療従事する専攻医は2〜3名となりました。また、上期には埼玉大学総合医療センター総合内科専門研修プログラムからPGY5の白井絢子医師を、下期には栃木医療センター総合診療専門研修プログラムからPGY4の山口高史医師が研修の一環で通常診療のシフトに入られました。
常勤スタッフ
非常勤スタッフ
- 名誉院長(利根中央診療所所長) 大塚 隆幸
外来部門
総合診療科では主に予約外来(スタッフ医師のみ)と予約外・初診外来、発熱外来、二次検診・ワクチン外来(月曜日午前及び土曜日午前)を担当しています。2021年度に引き続く診療体制の整備として、従来の初診外来から分離独立した形で発熱外来を継続設置し、総合診療科が全日診察担当を行いました。また、利根沼田保健福祉事務所の依頼に基づきながら、医療圏内におけるCOVID-19のクラスター発生の可能性がある医療機関や介護福祉施設の対策を現地に赴き対応しました。
予約外来(常勤スタッフ予約外来)
12959名/年( 96.6 % 対2021年度 )
二次検診・ワクチン外来
1131名/年( 106% 対2021年度 )
予約外・初診外来(平日)
3885名/年( 75.7% 対2021年度 )
発熱外来
11657名/年( 215.3% 対2021年度 )
予約外来は主に医長以上のスタッフ医師7名で週10単位(1単位=午前ないし午後半日)を開設しています。高血圧、脂質異常症、糖尿病等の一般的な慢性疾患管理に始まり、高齢者の多疾病罹患(multimorbidity)を背景とした多科併診患者の外来通院科調整や、多剤内服調整も行なっています。また、医学的問題だけではなく精神的社会的背景への対応なども行っています。昨年度に引き続き、専攻医による退院後follow up外来の開設も行いました。
予約外・初診外来の総受診者数は、COVID-19のパンデミックに伴う疾患動向の変化や地域の方々自らの受診抑制等から、やや減少傾向ではありましたが、個々の症例の重症度は高い傾向となっており、1患者あたりの診療に要する時間が延長する傾向となりました。徒歩受診でも緊急性を有する疾患の方や重症者がいることから、外来混雑時や救急車重複要請時の対応を円滑にするために、2021年度に引き続き平日午前中においては診療ヘルプ医師を配置しました。また、発熱患者やCOVID-19流行地域からの来訪者、COVID-19の可能性が否定できない方については、看護師による電話問診及びトリアージの後、PPE(Personal Protective Equipment)装着の上、発熱外来での診療を行いました。発熱外来の年間受診患者数は11657名と非常に多く、地域における発熱患者の1次〜2.5次診療を行っていた結果と考えています。
更に今年度も、前年度に引き続き専攻医や初期研修医、医学生に対する教育を積極的に行ないました。2次医療圏内で唯一の総合病院機能を有する病院で、かつ群馬大学医学部の関連病院として、多くの専門外来を有する病院であるため、希少疾患や難病患者の状態悪化への対応も求められており、より幅広い疾患に対する知識と状態悪化時の適切な対応ができる医師を育てることを目標としています。そして学問としての医学的知識だけではなく、自身が対応する患者一人一人の心理・社会的背景を理解し配慮した医療(BPSモデル:Bio-Psycho-Social model)が提供できるように教育を続けました。
訪問診療に関しては、2022年4月に利根中央診療所の診療所長交代が行われたことをきっかけに、訪問診療体制の抜本的見直しを行いました。総合診療科所属の家庭医療専門医を中心に3名の医師が週3単位、関連医療機関である利根中央診療所から定期訪問診療を行いました。2021年度に引き続き、渡邉医師を中心に訪問診療プロジェクトを推進しております。
救急部門
2022年度も2021年度に引き続き、平日日勤時間帯及び毎週土曜日午前における、救急搬送及び徒歩来院後院内トリアージで救急対応が必要と判断された内科系救急患者対応を、総合診療科医師中心にシフト制で行いました。一部診療援助として総合内科専門研修プログラムの専攻医にも対応を依頼しました。2021年度の救急外来受診者の総数はCOVID-19 pandemicの状況下ではありましたが社会生活も一定行われるようになり、2020年度に引き続き増加傾向となり、救急搬入件数及び救急応需率も2021年度に引き続き高率を維持しています。
救急外来受診者総数
8848名/年( 114% 対2020年度 )
夜間休日患者数
7139名/年( 137% 対2020年度 )
救急搬入件数
2730名/年( 114% 対2020年度 )
内救急車2720名/年、ヘリコプター 10名/年
CPA 75名 (ROSC 15名、ROSC率 20%)
救急応需不能件数
52件(不応需率 1.9%)
発熱患者の救急搬送においてはCOVID-19 pandemicによる影響もあり、全例PPE着用で発熱診療ブースでの対応を行いました。年度通じて多くの発熱患者の救急受け入れを行うとともに、COVID-19専門病棟を稼働し、COVID-19患者及び疑似症においては当院救急外来で診療及び治療を行った後に円滑に該当病棟に入院を行うこととし、救急及び発熱外来から入院まで継続的な診療を行いました。
高齢化が進む利根沼田地域において高齢者救急の増加、CPA症例の増加は顕著となっています。利根沼田医療圏は東京23区と同等の医療圏面積であり、救急車両による搬送時間が長くなる傾向があり、重症救急対応やCPAのROSC率向上には病院前救急医療体制の整備と連携が必要です。利根沼田医療圏内で発生した3次救急医療機関対応が必要と判断された症例に関しては、前橋赤十字病院を基地病院とした群馬ドクターヘリに多大なる協力を得ています。ここ数年、利根沼田医療圏においてはJターン(基地病院に戻らず近隣医療機関に患者搬送を行う)割合が増加傾向にあります。
入院部門
2022年度も2021年度同様に専門的治療が必要な症例は臓器別専門科が主治医として受け持ち、多疾病罹患や疾病以外の社会的背景等が複雑かつ対応困難な症例については当科が入院主治医を受け持つ形を基本的にはとっています。より専門性の高い領域を臓器別専門科が主治医として入院対応するため、各臓器別専門科の周辺領域疾患に関しては該当科の状況に応じて当科が主治医として対応し、専門科からのアドバイスを受けながら入院診療を行いました。常勤医師が不在の疾患群に関しても外来各科専門医と連携した診療を行っており、結果として2022年度の当科担当入院患者の疾患内訳(ICD-10準拠)は多岐に及んでいます。
入院患者については2021年度同様、上級医+専攻医+初期研修医 3名1チームの構成で10名前後の受け持ち患者を担当しています。新たに合流した診療看護師の方々には、各チームメンバーの一人として、主治医や専攻医不在時の早期医療対応を行なってもらいました。外来、救急、入院患者診療と多重業務となる医師の業務軽減に、診療看護師の方々が病棟診療チームの一員として関わることで、医療安全にも寄与したと考えています。
総合診療科が担う業務は入院患者診療に留まらず、外来、救急、在宅診療に及ぶため、COVID-19流行状況等を考慮し受け持ち患者の制限を状況に応じて行いました。年度通じた総担当患者数は2021年度と比較し減少しましたが、地域の高齢化が進んできている事等の影響から疾患複雑化が進み重症患者を担当する割合が増加傾向となっています。
入院患者数
1007名/年( 84% 対2021年度 )
入院患者詳細
サルモネラ胃腸炎、偽膜性腸炎、G群連鎖球菌敗血症、敗血症性ショック、三叉神経領域帯状疱疹、汎発性帯状疱疹、つつが虫病、レジオネラ肺炎、伝染性単核球症、食道癌、胃癌、S状結腸癌、下部胆管癌、肝細胞癌、膵頭部癌、癌性胸膜炎、転移性骨腫瘍、骨髄異形成症候群、骨髄繊維症、巨赤芽球性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血、発熱性好中球減少症、無痛性甲状腺炎、糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群、高アンモニア血症、薬剤性低血糖、低ナトリウム血症、高カリウム血症、低カリウム血症、急性アルコール中毒、アルコール性ケトアシドーシス、ウェルニッケ脳症、悪性症候群、過換気症候群、進行性核上性麻痺、パーキンソン病、眼筋型重症筋無力症、癲癇複雑部分発作、症候性癲癇、一過性脳虚血発作、脊髄梗塞、睡眠時無呼吸症候群、顔面神経麻痺、神経調節性失神、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、高血圧緊急症、急性心筋梗塞、肺動脈血栓塞栓症、急性心膜炎、感染性心内膜炎、大動脈弁狭窄症、蘇生後脳症、心肺停止、心室頻拍、小脳出血、視床出血、心原性脳塞栓症、アテローム性血栓性脳梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、上腸間膜動脈解離、下肢深部静脈血栓症、腸管膜リンパ節炎、急性喉頭蓋炎、急性咽頭炎、扁桃周囲膿瘍、細菌性肺炎、誤嚥性肺炎、気管支喘息発作、膿胸、胸膜炎、急性呼吸促迫症候群、人工呼吸器関連肺炎、特発性間質性肺炎急性増悪、自然気胸、縦隔気腫、マロリ・ワイス症候群、急性出血性胃潰瘍、出血性十二指腸潰瘍、腸管気腫症、虚血性大腸炎、腸腰筋膿瘍、便秘症、大腸憩室炎、急性アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変、肝膿瘍、胆石性急性胆嚢炎、アルコール性急性膵炎、総胆管結石、蜂巣炎、頚部リンパ節炎、褥瘡、褥瘡感染症、化膿性関節炎、偽痛風、頚椎偽痛風、多形浸出性紅斑、薬剤過敏性症候群、関節リウマチ、巨細胞動脈炎、顕微鏡的多発血管炎、リウマチ性多発筋痛症、化膿性椎間板炎、横紋筋融解症、腎盂腎炎、腎前性腎不全、慢性腎不全、尿管結石症、精巣上体炎、出血性膀胱炎、尿路感染症、急性前立腺炎、子宮留膿腫、頭部打撲、胸椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折、一酸化炭素中毒、ベンゾジアゼピン中毒、アセトアミノフェン中毒、抗うつ薬中毒、低体温症、蜂刺症、熱中症、アナフィラキシーショック、COVID-19
教育
病院総合診療/家庭医療学の面白さを学生や初期研修医へ実臨床を通じて伝えることを利根中央病院総合診療科の一つの役割と考えています。2022年度も引き続き初期研修医や専攻医の研修受け入れを行うとともに群馬大学医学部5〜6年生の学外選択実習や見学学生の受け入れを積極的に行いました。COVID-19 pandemicによる影響で学外選択実習が一時中断されましたが、2021年と同様に実践的な教育を提供する様に心がけました。診療時間内に学生、研修医向けのカンファレンスやレクチャーを行い、on/off the jobのバランスを取っています。
- 学生実習受入:43名(内群馬大学学外選択実習 18名)
- 初期研修受入:12名
morning lecture
利根中央病院では初期研修医や実習で来訪している医学生を主な対象としたmorning lectureを毎週火曜日ないし水曜日に定期的に行っています。専門各科の医師からのレクチャーもありますが、臨床研修を始めたばかりの初期研修医が日常で知っていた方が良い、臓器横断的な知識や社会資源等に関する知識を中心に、総合診療科スタッフ及び専攻医が依頼された内容に対してレクチャーを行いました。
morning lecture担当テーマ一覧
- 「抗菌薬の適正使用」石渡 彰
- 「血液ガスの見方」渡邉 健太
- 「市中感染症の基本」 岩出 良介
- 「予防接種レクチャー」中村 大輔
- 「インフルエンザの基本」吉田 卓生
- 「主治医意見書の書き方」宇敷 萌
- 「漢方薬への誘い」比嘉 研
- 「医療文書」比嘉 研
SDH/SDGs教育
2021年度から初期研修医と群馬大学学外選択実習で来院する学生を主な対象とした「SDH/SDGsを学び理解するためのカリキュラム」を策定し運用を開始しています。2022年度も引き続き初期研修医と群馬大学学外選択実習で来院する学生を対象にSDH/SDGs教育を行いました。
本カリキュラムは、1. 生活環境や労働を背景とした疾患との関係性を理解すること、2. 地域特性に起因する医療システムの課題を理解し解決策を考えること、3. 住民が健康かつ豊かに生活できる持続可能な社会のあり方を考えること、の3点を主要な目的とし、最終的に患者の心理社会的背景を理解した診療を行うことの意義を学び日常診療において実践できることを目標としています。院内における理論学習を総合診療科スタッフ及び専攻医が担当したのちに医療圏内の各地域に出向き1週間の宿泊型生活体験研修を行っています。
- 「BPS(Bio-Psycho-Social)モデル」渡邉 健太
- 「SDH/SDGs」宇敷 萌
宿泊型生活体験研修先
- 川場村冨士山集落、一般社団法人WASAWASA関連施設
- かたしな高原スキー場関連施設
外部講師招聘型教育
院内のスタッフだけではなく、外部講師を招聘した形で、主には医学生及び若手医師教育目的の総合診療/家庭医療領域に関するレクチャーや学習企画を、2021年度も主催ないし共催しました。COVID-19 pandemicの影響から、2022年度も引き続き現地集合型企画ではなくオンラインを利用した学習企画として開催をしています。
院内レクチャー
- 感染症カンファレンス 埼玉医科大学総合医療センター 三村 一行医師
- 胸部画像カンファレンス 立川綜合病院 氏田 万寿夫医師
- 救急レクチャー 順天堂大学医学部附属順天堂医院 阿部 智一医師 計12回
- 集中治療レクチャー 国保旭中央病院 坂本 壮医師 計4回
学習企画
1)総合診療スキルアップセミナー 2022年6月18日 ケースで学ぶハートとスキル
「恋するER」一宮西病院総合救急部 安藤 裕貴医師
「病状説明 ケースで学ぶハートとスキル」南奈良総合医療センター総合診療科 天野 雅之医師
2)Web闘魂祭 2021年11月19日 「ケースで学ぶ身体診察×診断エラー」
群星沖縄臨床研修センター 徳田 安春医師
浦添総合病院病院総合内科 石井 大太医師
湘南鎌倉総合病院総合診療科 瀬戸 雅美医師
初期研修医教育
担当 飯島 研史(北毛病院)、比嘉 研、宇敷 萌
初期研修医の集合研修として北毛病院から飯島研史医師に来訪頂き、月に1回の「レジデント・デイ」(学習企画とふりかえり)を継続開催しました。業務保証を行い時間内にレジデント・デイを定期的に行うことで、初期研修医自身が各々の研修内容を自身の成長に落とし込めるような形をとっています。レジデント・デイの学習テーマは、指導医と初期研修医の希望を調整しながら、初期研修プログラムとして初期研修医に学んでもらいたい内容を含めて決定し、指導医がファシリテートをする形で行っています。
初期レジデント・デイ学習テーマ一覧
- 第1回:2022年4月「プレゼンテーション」
- 第2回:2022年5月「ショートプレゼン」
- 第3回:2022年6月「研修医のためのキャリア・アプローチ序」
- 第4回:2022年7月「研修医のためのストレスマネジメント」
- 第5回:2022年8月「医師のプロフェッショナリズムを考える」
- 第6回:2022年9月「Modified Mini-CEX」
- 第7回:2022年10月「研修医でも大丈夫!後輩指導のコツ」
- 第8回:2022年11月「医療統計」
- 第9回:2022年12月「医療者のためのコミュニケーション」
- 第10回:2023年1月「ACP」
- 第11回:2023年2月 「Modified Mini-CEX」
- 第12回:2023年3月 「Narrative-based medicine(NBM)~患者の病の語りに耳を傾けよう~」
専攻医教育
担当 群馬家庭医療学センター指導医一同
群馬家庭医療学センター(G-CHAN)の総合診療専門研修プログラムとして、2021年度に引き続き、初期研修医と同様にG-CHAN所属の専攻医を対象とした月に1回の集合教育「G-CHANレジデント・デイ」を継続して開催しました。2022年度は2021年度に引き続きG-CHAN所属の専攻医数が増加していることもあり、レジデント・デイについては各々の「ふりかえり」を小グループに分かれて行う時間を優先的に確保し、基本的に学習企画は外部講師を招聘し行って頂く形を取りました。
<G-CHANレジデント・デイ学習テーマ一覧>
・4月 「オリエンテーション」群馬家庭医療学センター 飯島 研史
・5月 「ケア移行とPF作成のコツ」おく内科・在宅クリニック 奥 知久医師
・10月 「家族志向のケア」福島県立医科大学 菅家 智史医師
・1月 「小児発達」堀越内科クリニック 堀越 健医師
<企画>
・栃木・群馬合同 北関東ポートフォリオ合宿
「SDHと社会的脆弱性・追いやられた人のアドボカシー」札幌医科大学 佐藤 健太医師
・サイトビジットミニレクチャー
「診断推論」栃木医療センター 矢吹 拓医師
・第10回群馬家庭医療セミナー
「家庭医の矜持」 多摩ファミリークリニック 大橋 博樹医師
その他活動等
学会活動
- 内科学会専門医部会診断プロセスワーキンググループメンバー 鈴木 諭
- 病院総合診療医学会良質な診断ワーキンググループメンバー 鈴木 諭
学会演題発表等(演者)
・日本内科学会第680回関東地方会(2022.9)
「化膿性脊椎炎を合併したStreptobacillus moniliformis(S.moniliformis)菌血症の1例」白井 絢子
・日本内科学会第683回関東地方会(2022.12)
「筋痛、関節痛を主訴に受診し、全身性エリテマトーデス(SLE)にリウマチ性多発筋痛症(PMR)、巨細胞性動脈炎(GCA)を合併した1例」岩出 良介
・第13回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 2022年6月10〜12日
一般演題 ポスターCR-7
「臨床倫理の4分割法を用いた多職種カンファレンスを通じて患者の意向に沿った提案が実現できた1例」岩出 良介
・第13回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 2022年6月10〜12日
一般演題 ポスターAR-93
「中山間地域での地域体験研修を通じたSDH/SGDsを学び理解するためのカリキュラムの実践」高橋 朋宏
・第54回日本医学教育学会大会 2022年8月5日〜6日
一般演題 ポスター02. 学習
「YouTubeとSlackを活用したビデオレビューの実践」書上 奏
講演・学校保健活動等
講演
・群商連共済会 健康講話
「身心一如のすゝめ」 比嘉 研
学校保健活動
- 沼田市立沼田北小学校:小学校5年生対象 「ケガの手当てと熱中症」 吉田 卓生
- 利根実業高等学校:高校1年生対象 「性教育(性自認/性同意/性感染症)」 鈴木 諭
- 沼田市立沼田西中学校:中学校3年生対象 「性教育(性自認/性同意/性感染症)」 鈴木 諭
- 沼田女子高等学校:高校3年生対象 「性教育(性自認/性同意/性感染症)」 鈴木 諭
- 川場村立川場中学校:中学校3年生対象 「がん教育」 岩出 良介
- 川場村立川場中学校:中学校3年生対象 「性教育(性自認/性同意/性感染症)」 鈴木 諭
- 沼田市立沼田中学校:中学校3年生対象 「性教育(性自認/性同意/性感染症)」 鈴木 諭
- 沼田市立沼田西中学校:中学2年生対象 「心肺蘇生法(PUSH)」 鈴木 諭
- 沼田小学校:小学校4〜6年生対象 「メディア教育」 鈴木 諭
- 沼田高等学校:全学年対象 「性教育(性自認/性同意/性感染症)」 鈴木 諭
- みなかみ町立新治小学校:全学年対象 「メディア教育」 鈴木 諭
- 沼田市立沼田北小学校:小学校6年生対象 「薬物乱用防止教室」 鈴木 諭
- 沼田市立池田小学校:小学校5〜6年生対象 「いのちの大切さ」 鈴木 諭
- 沼田市立利南東小学校:小学校5年生対象 「薬物乱用防止教室」 鈴木 諭
- 昭和村立昭和中学校:全学年対象 「睡眠の大切さ・メディアとの向き合い方」 鈴木 諭
- 沼田女子高等学校:高校1年生対象 「心肺蘇生法(PUSH)」 鈴木 諭
- 片品村立片品中学校:学校保健委員会委員対象 「睡眠の大切さ」 鈴木 諭
執筆活動:学術論文
- 磯貝康太,鈴木諭,小林喜郎 他(2023.3). 利根中央病院における転院搬送症例の検討,群馬県救急医療懇談会誌 17巻(93-95).
- Ishimaru N, Suzuki S, Shimokawa T, Iijima K, Kanzawa Y, Nakajima T, Kinami S. Kikyo-to for Acute Upper Respiratory Tract Infection-Associated Sore Throat Pain: A Multicenter Randomized Controlled Trial. J Integr Complement Med. 2022 Sep;28(9):768-774. doi: 10.1089/jicm.2021.0433. Epub 2022 May 31. PMID: 35648044.