病児保育室くるみ

2025年07月01日

病児保育室くるみ
保育士・看護師
本多 育子

沼田市の子育て支援事業として市から委託を受け、利根保健生協が運営して今年で7年目になりました。2018年4月にオープンし、利用人数も年々増加して、昨年度は延べ278人でした。1日の定員は4人までで、対象年齢は「生後6か月~小学校6年生」です。お子さんの症状は風邪(上気道炎)がほとんどですが、保育園等で感染力の強い病気が流行すると(手足口病・アデノウィルス感染症・胃腸炎・インフルエンザ等)1日の受け入れ人数も多くなり、キャンセル待ちになる事もあります。その他(中耳炎・溶連菌感染症・RS感染症・水痘)のお子さんもいました。今号では利用の特徴についてご紹介します。

一日の流れ

利用されるお子さんは小さな(1歳児2歳児)方が多いです。初めての保育室では、朝は泣いてしまうお子さんもいますが、保育室の雰囲気にも徐々に慣れ、好きな遊びを見つけて一日ゆっくりとお子さんのペースで過ごします。おやつや昼食は、お弁当持参か給食も注文できます。水分補給をこまめにしながら食べられる物を食べて一日過ごします。体調が悪い時には、ゼリーやプリン、ヨーグルト、果物など喉越しの良いものが良さそうです。体温測定や顔色など、こまめにお子さんの症状を確認しながら高熱になった場合は、保護者と連絡をとりながら解熱剤を使用するなどして対応しています。鼻水の多いお子さんには鼻吸引もしています。喘息のお子さんには吸入器を持って来ていただければ吸入もできますのでご相談ください。
病院から巡回支援として看護部長や看護師が、お子さんを見に来てくれていますのでスタッフも安心して保育が出来ています。

保育室での遊び

スタッフは、看護師1名、保育士2名です。保育士が、お子さんの発達に合わせて、おもちゃ遊び・読み聞かせ・お絵描き・折り紙・カード合わせゲーム・魚釣りゲーム・ボーリング遊びなど工夫しながら一緒に遊びます。3・4才のお子さんは色画用紙でのバック作りやパフェ作りが楽しいようです。アンパンマンやパウパトロールのDVDも人気で観ています。暖かい日には、窓から見える景色も心地よく開放感もあり、水鉄砲やシャボン玉遊びも楽しんでいます。体調が悪いお子さんは、無理なく好きな遊びを見つけ安静に過ごしています。
折り紙のお土産も好評で、時間がある時に保育士が製作したコマ・アンパンマン・ペロペロキャンディー・うさぎ・ピカチュウなどの中から、お子さんが気に入ったものをお持ち帰りできます。

  • おでかけバック作り
  • 2歳児(胃腸炎)機関車トーマスで遊びました

年間の取り組み

春先に利根沼田の保育園を訪問し、くるみだより(年4回発行)をお渡ししています。防災訓練も予定しています。スタッフの中で心掛けている事は「また、くるみで遊びたい」とお子さんに思ってもらえるよう、月に1度、室内研修を行い職員の共通認識を高め、日々子ども達の変化を共有しながら保育の向上を図れるよう心掛けています。また県内医療生協の病児保育室を視察研修し、他の病児保育を知り、取り入れられるところは取り入れ、地域にあった“病児保育室くるみ”を今後も継続して行けるよう頑張っていきたいと思います。

ご利用について

病児保育室を利用する際には、事前の登録と小児科受診が必要です。診察をしてもらい診療情報提供書がもらえたら利用ができます。保育室が空いているか確認してください。症状が同じ風邪等でしたら同室になる場合もあります。発熱した時には、コロナ、インフルエンザ等検査をお願いします。保育室は2部屋の為、受け入れるお子さんの症状を、しっかり確認し感染対策をしています。部屋が空いていれば当日利用も対応していますので朝8時にご相談ください。詳しくは、ホームページをご覧ください。

利用者の声

その1

くるみの先生方には度々お世話になっています。子どもの体調が悪くても仕事を続けて休むわけにもいかず、家族も仕事で面倒を見ることが難しい。そんな時、預かっていただける場所があることで安心して仕事に行くことができています。
鼻水が多い時には吸引もしていただけるので、とても助かります。また給食の利用可能な点もありがたいです。
先生方が優しく接してくださり、アットホームな環境のため、子どももすぐに馴染め「明日もくるみ行ける?」と聞いてくるほど、子どもにとっても心地よい場所です。仕事と育児の両立をしていく上で、くるみはとても心強い存在です。今後も利用させていただきたいです。

その2

子どもがまだ小さく頻繁に体調を崩すのでよく利用させていただいています。体調が悪く、機嫌の悪いときに預かっていただくにも関わらず、優しく丁寧に見てくださるので安心して預けることができます。
子どもの体調やペースに合わせてくれるので子どもも楽しいようで、少し咳が出ると「くるみに行く!」と言っていることもあります。なかなか休みづらいことも多いので、くるみのおかげで仕事を続けられていると言っても過言ではありません。くるみの先生方には感謝しかありません。

病児保育室くるみ 1日の流れ

  • 8:00~
    ・受け入れ・検温
    お子さんの様子を伺いながら書類・持ち物の確認も含め受け入れします。
    おうちの方と離れて落ち着いてから熱をはかります。
  • 9:00~
    ・おやつ
    水分補給をしながらおやつを食べます。

    ・あそび
    お子さんの症状など様子を見守りながら遊びます。
    体調に合わせ、お布団に横になったり静かな遊びをしながら体を休ませます。

    ・看護師巡回
    看護師がお子さんの症状を観察します。
  • 11:30~
    ・昼食・与薬・検温
    お子さんの症状などに配慮し、食事量など無理のない様に食事を食べます。
    内服薬などがある場合は、指示のとおり服用します。
  • 12:30~
    ・午睡
    午睡の時間は症状に合わせ配慮します。
    小学生も病児のため、午睡の時間をとります。
  • 15:00~
    ・おやつ・検温
    水分補給をしながら、おやつを食べます。

    ・あそび
    午前中と同様です。
  • 17:00~
    ・お迎え
    お子さんの一日の様子をお話しします。
  • 17:30
    ・お迎え終了

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