健康づくりの為の運動

2010年08月01日

利根中央病院
健診センター

運動は毎日行うことが大切です。「もう年だから…」「体が利かなくて…」という方にこそ、運動をしていただきたいです。筋肉の回復に年齢は関係ありません。どなたでも鍛えれば鍛えるだけ効果は出ます。生涯、自分の力で動ける健康な体を作りましょう。

運動とは

近年では、運動をわざわざ時間を割いて意図的に取り組むものとしてのみ捉えるのではなく、日常生活の中の様々な動き、例えば、通勤・買い物での歩行・家事・庭いじり・車の洗車など、身体の動きが伴い結果的にエネルギーが消費される全てのものとして捉えることが重要とされています。

健康とは

健康とはただ単に「病気でない状態」と捉えるのではなく、社会、経済、そして個人の進歩のための重要な「資源」であり、生活の質の重要な要素と考えることが出来る(世界保健機構1986年)。つまり健康とは、自分がやりたいことを実現するための資源であるといえます。それは、幸せな家庭を守ることであったり、仕事に生きがいを持って取り組めたり、愛飲家は酒をいつまでもおいしく飲むことであったりするのです。

運動に関わる身体の仕組み

私たちの身体を直接的に動かしているのは筋(骨格筋)です。筋肉が伸縮することで身体は動いています。

1.骨格筋の構造
私たちの身体は約4百個の骨格筋から構成されています。これらの骨格筋は毛髪程の太さの繊維状のものが束となって構成されていて、一本一本の繊維状の細胞を「筋繊維」と呼んでいます。運動をすると筋繊維は増えるわけではなく、太くなります。
2.筋繊維タイプ
筋繊維は「速筋繊維(そっきん)」と「遅筋繊維(ちきん)」という、異なる繊維を持った2種類に分けられます。「速筋繊維」は収縮が素速く、高いパワーを発揮する性質を持ち、短距離選手などの瞬発力が要求されるタイプの繊維です。「遅筋繊維」は収縮が遅く、発揮する力も小さいが、長時間収縮できる性質を持っているので、長距離選手などの有酸素運動で持久力が要求されるタイプの繊維です。
3.加齢と筋繊維タイプ
加齢(老化)による筋肉の委縮(細くなる)は、瞬発的な大きな力を発揮する能力が先に衰えていきます。すると、つまづいた時にもう一方の足が素早く反応出来ず、転倒する原因になります。このような観点から、日常生活の中で、意識的に大きな力を発揮する速筋繊維を使うようなトレーニングを取り入れる必要性があります。

ダイエットするなら

みなさんが一度は気にする話題ですね。ダイエットのための運動をするなら、呼吸を止めずに体に酸素を取り入れる有酸素運動をしましょう。軽い疲労を感じる程度のウォーキングや、軽いジョギングが代表的です。20~30分の運動を最低でも週2~3回行います。更にウォーキングの際、背筋を伸ばす事を意識し、歩幅にも注意して下さい。普段よりも10~20㎝拡げると歩く速度が速くなり、身体活動量がアップするため、体重が落ちやすくなります。
それにプラスして筋肉トレーニングも行いましょう。下半身の太ももの筋肉や腹筋など、体の中でも比較的大きな筋肉を鍛えてください。中でも全身の3分の2の筋肉を使っているスクワットはお勧めです。
まとまった時間が取れない方は日常生活で普段から筋肉を使う意識をして下さい。例えば、椅子に座るときは背もたれに寄りかからず姿勢よく。歯磨き中にはスクワット。車で出掛けたら駐車は遠くに停めて、少しでも多く歩く。など、探せばたくさんあります。

運動時の注意点

  • 呼吸を止めない。血圧が上がってしまいます。
  • こまめに水分を補給する。
  • 病気の治療中の方や、関節に痛みがある方は医師に必ず相談してください。

運動の前後には必ず全身のストレッチを行ってください。特にその日使う筋肉は念入りに行うと運動効果がアップします。怪我の予防と、次の日に疲労を残さない効果があります。
無理はせず、「これぐらいなら毎日でもできるぞ」という強度で構いません。継続が大切です。頑張ってください。

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