地域チーム

学校ピロリ検診の活動

日本では、胃がんの原因の一つと言われるピロリ菌の感染時期は乳幼児期で、家族内感染が主です。14歳以下では胃がん罹患、死亡とも0であり、胃がん予防効果も感染の早期発見の除菌ほど大きく、中学生でのピロリ菌健診と治療による胃がんの一次予防の試みが先進的な地域で始まっています。当院でも、2013年から市内の一中学校の1年生に協力を依頼し、学校検尿検査に追加する形で尿中ピロリ抗体検査を行っています。検査で陽性となった場合、近隣の医療機関を受診して頂き二次検査へ段階を進めます。
当県では中学3年生まで公的医療が適応されます。中学1年生で検査を行う理由として、ピロリ菌の保菌が分かっても症状が無ければ直ぐに治療を勧める訳では無いため、治療の計画に余裕を持って頂く事ができます。また、中学生であるため当院では小児科の消化器専門医が、受診の際に親御さんと相談させて頂きます。小児科の医師と不安な事を良く話し合いながら治療などの相談を受けることが出来ます。
これまでの検査で、毎年約5%の割合でピロリ菌の保菌を認めています。二次検査も陽性だった方の4、5名が毎年除菌を実施しています。
今後は、中学生のピロリ菌保菌率、除菌の状況などを地域の自治体へ紹介し、将来の世代の胃がん撲滅対策として学校健診に尿中ピロリ菌検査を取り入れて頂けるよう働きかけを行います。

減塩教室の開催報告

平成27年、28年とHPH活動の一環として減塩教室を開催しました。「減塩」「すこしお生活」は現在も日本「健康社会」を薦める活動になっています。
当院での減塩教室は、管理栄養と看護師による学習会と参加型として受講者さんからご家庭での味噌汁、おかずの汁もの等を持参して塩分測定を行い、当日のスポット尿測定(来院時の採尿検査)、血圧測定、減塩に関する意識調査などを行いました。受講者さんは健康志向が高いため、もちろん減塩にも興味をお持ちの方ですが、実際のご家庭の味付けはやや高塩分だったことに皆さん驚きの表情でした。しかし、2年目も同じ受講者で同じ内容で教室を開催したところ、なんと皆さん塩分の数値が減っていたのです。また当日は、病院で提供している1食分の塩分を3gに抑えてある食事をお弁当にして召し上がって頂きました。初めは、「やはり味付けが薄い」と皆さんおっしゃっていましたが2年目は「おいしく感じます」と味の感じ方に変化が見られていました。これは、「減塩」、「すこしお」に日常的に食生活を変えていたのだろうと、「減塩教室は大変勉強になった」と、嬉しい感想を頂きました。

  • 減塩教室学習会の様子
  • 減塩のためのアイテム
  • 塩分コントロールされたお弁当
  • 減塩教室学習会の様子

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